2013-12-28

ネットブックのOSをLinuxに…

所有しているネットブックのOSがウインドウズXPで、サポート期間が2014年4月で終了してしまう。次もWindowsにしたいがスペック的に無理。
じゃあ、Linuxをインストールしてみようということで探してみました。

とりあえず探す際に、

・日本語対応が充実している。
Windowsの替わりとするので日本語対応が基本的な部分でされていないとちょっと困っちゃう。特に日本語入力をバリバリに使うので。
その他の設定やちょっとしたアプリなんかは英語でも全然OKですけど。

・使いやすいデスクトップ環境。
今はMac使いなのでWindowsのようなゴチャゴチャした環境は面倒くさい。

・非力なマシンでも快適に動作するディストリビューション。
使う予定のネットブックはCPUがAtom N270(1.66GHz)、RAMが1GB、グラフィックはチップセット内臓グラフィックなので、あまりデスクトップの画面効果が豪華だと厳しい。

・ロングサポートの有無。
各LinuxディストリビューションはバージョンアップがWindowsやMacよりも早いため、メジャーなものは半年に1回バージョンアップが行われます。
サポート期間が短いと頻繁にアップグレードしなくてはならないので維持が面倒。
そもそもネットブックの利用頻度がそれほど高くないので、同じバージョンを長く使いたい。なので、LTS(ロングチームサポート)版があれば良し。

の4つを目安に探してみました。


ざっとWikipediaで調べたところ、デスクトップ利用をメインにしているもので日本語対応が充実しているのはUbuntuで、日本人利用者も多いみたい。
ということは、困ったときの情報収集が楽。
気になったものを色々試してみたいが、仮想環境作成も大変なので
・Ubuntu Linux Desktop 12.04 LTS
・Xubuntu Linux Desktop 12.04 LTS
・Lubuntu Linux 13.10
・Linux Mint 13 MATE LTS
の4つを試してみることにしました。すべて32bit版を利用しました。

お試し環境はMacのParallels Desktopを使用、
・CPU 1
・RAM 1GB
・VRAM 32MB
・3D有効
・HDD 標準設定(64GB)
・パフォーマンス 仮想マシン優先
・アダプティブハイパーバイザON
・画面解像度1024×768
にして出来るだけネットブックのスペックに近づけてお試し利用してみます。
また、それぞれにParallels Toolsもインストールします。
ネットブックのCPUはシングルコアですが、HT対応しているのでCPU数は2にしたいところですが、MacのCPUがデュアルコアXeon2.66GHzなのでCPU数は1にしています。

Ubuntu Linux 12.04 LTS
本家サイトhttp://www.ubuntu.com/
Ubuntu Japanese Teamhttp://www.ubuntulinux.jp/home

Japaneseチームのバージョンではなく、本家のものを使用します。
日本チームの専用サイトがあるだけあって、トラブル解決などの情報が充実しています。

デスクトップ画面
インストールはデスクトップに特化しているだけあって、汎用のLinuxみたいに細かなインストールオプションはありません。
インストールDVDからの起動時に日本語に設定すれば、インストール後のシステムも日本語になります。不足分は言語設定から追加でダウンロードすれば日本語化完了です。
それ以外の設定はユーザーアカウントの作成と、タイムゾーンの設定だけでインストールが終わってしまいます。

Dashホーム画面
標準でインストールされるアプリも結構量があり、オフィスソフトやメディアプレーヤー、リモートデスクトップ用のアプリも標準でインストールされます。
標準インストールすれば基本的な事は一通りできますよ~って構成です。

使用感はMacに近いです。
デスクトップ画面もMacに近い作りをしており、ウインドウの閉じる・最小化・最大化のボタンもウインドウタイトルバー左側にあります。

アプリケーションの起動は、Windowsのスタートメニューのようなボタンはありません。
すべてランチャーを使用して起動します。
初期状態ではオフィスソフトや設定、ソフトウェアセンターなどのアプリが登録されていますが、その他のアプリはランチャーの一番端にあるDashホームから探します。
おすすめソフトや履歴が一緒に表示されていたり、一覧の表示方法の変更(アイコン表示か一覧表示の切り替え)ができない、ジャンル分けされていないなど使い辛いところはありますが、よく使うアプリはランチャーに登録しておくのが基本なので仕方のないところかも。

起動直後の状態をシステムモニターで表示

見た目や動作に多数の視覚効果を使用しているので、非力なマシンだとちょっとつらいです。OSのisoイメージをダウンロードした際には推奨メモリが2GBとなっていたので、メモリが少ない&VRAM領域もメインメモリを利用していると思われるネットブックではちょっと辛いかな?と思いました。

日本語化もしっかりしていますので、英語表示じゃ無理って人でも安心して使えます。
ですが、後から追加するソフトウェアはほとんどが英語ですけど。

日本語入力はibusというソフトウェアを使って切り替え、AnthyというIMを利用します。
変換精度は使っていてATOKには程遠い。WindowsのIMEよりも良くない。Macのことえりにも劣るような気がしました。
調べてみたら、学習機能もしょぼく、必要最低限の機能しかないようです。
標準では辞書ファイルの管理すらできないのである程度ソフトを追加して機能を強化する必要があります。
この記事もこの辺まではAnthyを使っていますが、変換がひどくて最初に出てくる候補が全然使い物になりません。
日本語入力はGoogle日本語入力のオープンソース版のMozcを使う方がいいでしょう。

アプリケーションを追加したい場合は、Ubuntuソフトウェアセンターというアプリを利用して追加できます。が、このソフトが一番重い・・・
ネットブックじゃキツイんじゃないかな?

デスクトップマシンで利用したり、Macの仮想環境で利用するなら最適かと思います。
現在仮想環境で絶賛使用中。
  • 必要マシンスペック:△(お試し環境ではサクサク動いたけど、ネットブックだと微妙)
  • デスクトップ環境:○(デザイン好き)
  • 日本語化:○(Japanese Teamのリポジトリを追加すれば尚良し)
  • 長期サポート:○(サポート期限が2017年なので安心)
デザインは良いんですが、非力なマシンじゃちょっときついかな?
WindowsXPよりもちょっと軽い程度です。
仮想環境ではHDDの速度もRAMの速度もネットブックでは良いので動きにモッサリ感はなかったですが、視覚効果使いすぎているので不安あり。
また、推奨メモリも多いのでメモリ不足になりがちかも。


Xubuntu Linux Desktop 12.04 LTS
公式サイト(英語)http://xubuntu.org/

Ubuntuからの公式に派生ディストリビューションだそうです。
Wikipediaでは、Ubuntuと後述するLubuntuよりも動作が軽いとされています。

Ubuntuの派生なのでインストーラは一緒です。
こちらもデスクトップ利用に特化しているので、インストール時の設定は簡潔でした。

デスクトップ画面
WindowsとMacの中間のようなデスクトップ画面です。
Windowsのスタートメニューと同等の機能を持つボタンが画面左上にあり、そこから項目ごとに分かれたアプリケーションへアクセス出来ます。
また、画面下にはランチャーがあり(初期設定では自動で隠れる設定になっています)こっちはMacOSXを思わせる作りになっています。(初期位置も画面下ですし)

システムモニター
ウインドウのデザインはWindowsとMacの中間で、タイトルバーの最小化・最大化のボタンは右側。このへんはLinuxのウインドウシステム自体が非常に柔軟性の高いものが多いのでボタン位置の変更が可能。

視覚効果が少ない分全体的な古臭さは感じますが、軽快でUbuntuよりも軽く感じます。
初期にインストールされるアプリは基本的なものはひと通り揃っていますが、普段利用が少ないリモートデスクトップや特殊な設定をするアプリは入っていません。
同じ利用目的のアプリでもXubuntuに入っている方のアプリは、軽量化を目指しているディストリビューションなのでメモリを多く消費しがちな見た目に凝ったものは標準で入っていなさそうです。

アプリケーションの追加はUbuntuソフトウェアセンターを利用してUbuntuのものを利用できます。公式に派生したディストリビューションなのでUbuntuでは動くがXubuntuでは動かないというトラブルは比較的少ないのではないかと思います。

日本語入力はこちらも標準でAnthyなので替えたほうがいいかと・・・

  • 必要マシンスペック:○(ネットブックでも大丈夫そう)
  • デスクトップ環境:○(WindowsとMacの良い所取り? WinとMacどちらも使うユーザには好まれるかも)
  • 日本語化:○(Ubuntuとほぼ同じものが使えるので)
  • 長期サポート:○(LTS版なので安心)

控えめな見た目ですがアプリケーションリンクへのアクセスのしやすさはUbuntuよりも上でした。
同じPCを長く使いたいユーザーやビジネス目的でPCを使う人に向いているのではないかと思います。
Windows・Macどちらのユーザーでも移行しやすい造りになっていると思いました。


Lubuntu Linux 13.10
公式サイトhttp://lubuntu.net/

Xubuntuと同じで軽量なのがメリットのディストリビューションです。
こちらも名前の通り、Ubuntuの派生です。
現在はUbuntuの公式プロジェクトに取り込まれたそうです。
インストーラはUbuntuと同じですが、HDD暗号化やパーティションの詳細な設定が行えるようになっていました。また、言語選択時に一部文字化けしていたので国際化対応が不十分なところがあるようです。

デスクトップ画面
もう、見た感じから古臭いです。徹底的に視覚効果を削った感があり、一昔前のウインドウシステムのような画面です。
ですがその分軽量で、起動直後の消費メモリは前2つのディストリビューションよりも低く、200MBを切っていました。

システムモニター
デスクトップ画面はWindowsそっくりな作りです。
日本語化すればひと通り日本語になるのですが、ウインドウやアイコンに使われているフォントがイマイチで、アンチエイリアスもかかっていないうえに初期状態で小さすぎて読みづらいです。
全てにおいて文字が小さすぎるので、使えるようにするのが大変。

標準でインストールされるアプリケーションも前2つよりも少なく、オフィスソフトもほぼ入っていません。

ソフトウェアの追加はLubuntuソフトウェアセンターとなっており、利用可能なソフトウェアパッケージはUbuntuソフトウェアセンターと異なっています。

Lubuntuソフトウェアセンター
非力なPCでも動作するよう作られたディストリビューションですが、どちらかといえばデスクトップ特化ではなく、汎用Linuxと言えると思います。
Lubuntuソフトウェアセンターとは別にパッケージマネージャが標準でインストールされており、他の汎用Linuxと同様にわかりづらいパッケージ群からわかりづらいパッケージ名とバージョンを調べてインストールするという作業が必須になります。

Synapticパッケージマネージャ

デスクトップ利用もしたいけど、そのうちサーバーもやってみたいよ。
っていうユーザーが使うにはいいかもしれませんが、そこまで専門的なことやらないっていうユーザーにはちょっと手がかかりすぎるディストリビューションです。
あとは古いPCをどうしても有効活用したい人とか・・・

  • 必要マシンスペック:○(低スペックでも余裕)
  • デスクトップ環境:✕(使えるまでに手がかかりすぎる)
  • 日本語化:△(一応されているけど、一昔前のLinux臭さがあり国際化対応が十分ではない)
  • 長期サポート:✕(今のところLTS版がない)

軽量化しすぎて使いづらくなって一昔前のLinuxを使っているような感覚でした。
中級者向けのディストリビューションだと思います。


Linux mint 13 Mate LTS

バージョンによっていくつかエディションが別れていて主な違いはデスクトップシステムの違いで、基本はどのエディションも同じです。
エディションによって画面最低解像度や必要最低メモリ、必要空きHDD容量に違いがあるようなので注意したほうが良さそうです。

ユーザーズガイドによれば、よくわからない場合はMateをインストールしましょうと書いてあったのでそれに従ってみました。

仮想環境でインストールしてから知ったのですが、MateよりもXfce版の方が軽量らしい…

インストール時に他と大きく違ったのが、インストール時にメディアをドライブに入れて起動させるのですが、インストーラが起動するのではなく、最初にCDからブート可能な状態で勝手にLinux mintが起動します。
その状態で試用し、気に入ったらデスクトップ画面のDVDメディアへのリンクからインストーラを起動するという作りになっています。

デスクトップ画面
Windowsっぽい外観ですが、デザインは洗練されているので綺麗です。
細かなところもWindowsに似せて作られているのでWindowsからの乗り替えも安心。

Mintメニュー

Linuxのウインドウシステムでは当たり前のようにあったワーススペースの切り替えボタンが初期状態で見当たりませんが、キーボードショートカット(Ctrl+Altと十字キーで切り替え可能)で使用することができます。
(あとからボタンを追加可能です)

日本語化は言語環境による日本語化とLinux mint Japanが作った日本語化パッケージをインストールするとより日本語環境で安定して動作します。
このパッケージはコマンド入力によるインストールなので慣れていないとちょと大変ですが、サイトの説明通りにやれば簡単にインストールすることができます。
また、日本語化パッケージが優秀なのは、インプットメソッドのMozcをインストールしてくれることです。
アプリ名やユーティリティ名の翻訳が妙に堅苦しいものになっていますが、意味は通じるので気になりません。
また、公式の日本語ガイドがPDFで用意されているので導入から利用まで初心者でも安心して使うことができるのではないかと思います。

標準インストールされるソフトウェア結構充実しているので追加でインストールしなくても大抵のことはできます。

ソフトウェアの管理アプリケーション
名前がそのまんま「ソフトウェアの管理」というアプリケーションを使って追加・削除が基本です。他にもパッケージマネージャがインストールされているのでそちらからサーバーアプリなどをインストールすることも可能です。

動作ですが、Ubuntuより軽く、Xubuntuと同じくらいでした。
管理用のアプリケーションが初期インストールで充実しているので細かな設定をしたい人に向いているかも。簡潔さはUbuntuとXubuntuの方が上です。
  • 必要マシンスペック:○(低スペックでもなんとかなりそう)
  • デスクトップ環境:○(簡単すぎず・難しすぎず調度良い)
  • 日本語化:○(日本語化パッケージを導入後すぐに使える)
  • 長期サポート:○(LTS版があるので安心)
おまけ
Linux mint 13 XfceをインストールしてMateとどの程度違うのか確かめてみました。

Linux mint 13 Xfce 日本語化パッケージ導入中
軽い! Xubuntuと同じXfceを利用しているので見た目はLinux mintですが、使用感がMacっぽいランチャーがないXubuntuです。
インストール直後、日本語化していない状態での使用メモリが200MBを切っていました。
日本語化パッケージをインストール後はメモリ使用率が16〜20%あたりで落ち着きます。


インストールしてざっと各ディストリビューションを使ってみた結果、日本語化・日本語入力環境の整えやすさと動作が比較的軽い、省電力でモニタの明るさを暗めに設定することが多い画面でも見やすいメタルカラー。
ということで、Linux mint 13 Xfce LTSをインストールすることにしました。


0 件のコメント:

コメントを投稿